地下足袋とは
日本古来の地下足袋は機能性で非常に優れた特徴を持ち、海外製の作業靴などが安価で販売されている中でも、未だに農作業や大工などの職人に根強い人気を誇るものです。
その大きな特徴としては一目で分かるように親指側と残りの指が二股に分かれているという点が目立ちます。この独特の形状によって足場の悪い高所などでも足先に力が入りやすく、しっかりと地面を掴み身体を支えることが可能です。この特徴により大工の高所作業や足元のデコボコとした農作業時など、転倒が大惨事につながりかねない状況でしっかりと足元を固定する事が出来ます。
そもそも地下とは「直に地面に触れる」という意味の当て字で、その下に履物などを履かなくとも十分に歩行に耐えうる設計になっています。このような特徴から大工仕事・農作業などの実用的な使われ方もされますが、神事や祭り事では日本古来の由緒正しき足元として祭足袋が使用されるなど深く日本の文化に根ざしています。
また海外のメディアで日本のオールドスタイルのシューズだと紹介されたことから、日本びいきの外国人の間で人気に火がつき、大手通販サイトのアマゾンでは連日多くの方が購入するなど、意外な広がりを見せています。
地下足袋の形
高所作業など細心の注意が必要な現場では、未だに日本古来の伝統的スタイルである地下足袋が広く採用されています。これは決して形式的な決まり事ではなく、その他の最新型作業シューズなどと比較しても、地下足袋が非常に優れた機能を持つという実務的な理由からのものです。
その形状の大きな特徴としては、足先で二股に分かれている独特の形を思い浮かべるでしょが、この形こそが大工さんの安全を守る非常に重要な点です。この二股の足先は親指とその他の指で分かれているのですが、この形状によってしっかりと地面を掴むように足元を安定させることが出来ます。このような特徴によって今でも多くのとび職人に採用されていますが、こうした伝統的な使われ方ではなく地下足袋の形は大きな変化を見せています。
派生した商品としてつま先を保護するためのガードがつけられたタイプでは、重機を扱う農作業時などでは非常に大きな役割を持ちます。
また山歩き用のスパイクタイプではスニーカーなどに採用されるエアークッションが搭載されており、足腰への負担を軽減しながらも足袋本来の強靭な足先を実現しています。
このように日本古来の形を保持しながらも、山歩き用や農作業用など新たな形が次々に登場する分野でもあります。
地下足袋の選び方
日本古来の地下足袋は大工作業や祭りなどの神事での使用だけではなく、農作業や軽作業など幅広い分野で活躍しています。その他にも最近ではその機能性が注目され、山歩き用やスニーカー代わりの使用など老若男女問わず使われています。
しかし、中々普通の靴屋では購入することが出来ないので、多くの方がネット通販などを利用して探されますが、普通のスニーカーや革靴とは異なるため選び方には注意が必要です。
スニーカーなどと同じく、地下足袋にも足のサイズに応じて購入するタイプを選択しますが、足元へのフィット感などは実際に履いてみなければ分からない点も多いので注意して下さい。普通のスニーカーではサイズで購入しても失敗は少ないですが、地下足袋の場合には素材や用途に応じて同じサイズでも使用感が大きく異なります。そのため出来ればホームセンター等で一度試しに履き心地を確かめた上で、おおまかなサイズ感を知っておくと失敗がないでしょう。
また使用用途によって足元の素材も注意が必要です。通常はゴムコーティングが主流ですが、登山用などではすべり止めのついたスニーカータイプも販売されているので、購入の際には用途を整理した上で選択する必要があります。