災害に革手袋がお勧めな理由とは
革手袋は非常用の持ち出し袋に用意しておくと便利な製品です。備えておくことで災害時、特に地震発生の際に身近で起こるトラブルに対処することができます。
揺れの強い地震が起きた後には、家具が倒れて食器が割れ、窓や扉のガラスも破損して、家の中は酷く荒れてしまうことが予想されます。その後の生活のためには、それを片づけて必要なものの確保を行なわなければなりませんが、鋭い破片やささくれだった木材が散乱する場所で、素手で作業をするのは非常に危険です。
そんな時に切創に強い革手袋があれば、手に着用することで安全に片づけや物の捜索を行うことができます。頑丈に作られた革の手袋は、皮膚を傷つけるものを通しません。
また熱に強い革の特性は、野外での炊き出しにおいて優れた効果を発します。火をつける時、薪をくべる時、熱した鍋をおろすときなど、手袋があれば火傷を防ぐことができ、熱さで手元がおろそかになってしまうこともありません。
その上で手袋として、冬の時期の災害には防寒グッズとしても役立ちます。特にしもやけを起こしてしまいやすいお子さんや肌の弱い人は、災害時は治療を受けられずに症状が重症化してしまいがちですので、個人として使う用の革の手袋を用意しておくことをお勧めします。
革手袋ってどんな種類があるの?
革手袋は牛や豚、ヤギや羊からとれる天然素材を材料に作られます。自然の品ですので、メーカーの同じ商品であっても物によって微妙に個体差が見られ、完全に同一な品はありません。
最も一般的なのは牛革で作られた革手袋で、強い耐久性と商品としての豊富さを誇ります。腹皮、面皮ととれる部分によって柔らかさや薄さが異なり、同じ牛革といえど質感はそれぞれの特色を持ちます。
牛革に続くのが豚革を由来とした革手袋で、牛革の製品と比べて薄手であり柔らかく軽いという特徴があります。革の手袋は初めは硬く指を動かしにくい傾向にあるのですが、豚皮の手袋はそれが軽度で、価格が安価であることも影響し、使用に慣れない人に向いた製品だといわれます。
素材の他に製法によっても種類は分けられ、薄く延ばされたりオイルコーティングされたりと、加工によって使いやすさを増した商品も数多く存在しています。なかでも甲の部分に綿生地を使用した甲メリと呼ばれる手袋は、耐久性は若干低下するものの、通気性がよく細かい作業がしやすいので、扱いやすい品です。
また、ほとんどの革手袋が外縫いですが、内側に縫い目のあるもあり、使用の際尖ったものに引っかかって切れるといったトラブルを防げます。災害時用の備えとして用意しておくのにも適した、技ありの商品です。
革手袋のお手入れ方法
天然の革手袋は水に非常に弱く、汚れても水洗いをすることが基本できません。長くきれいな状態を保つためには、埃が付いたときはこまめに払い、泥や油など落ちにくい汚れはそのつど乾いた布でふいて、取り除いていくことが大切です。
確実な手段ではありませんが、消しゴムでこすると、苦労せずに汚れを落とせるという裏技もあります。ただ表面が黒くなっているときは、かえって汚れを広げてしまいかねませんので、きれいな状態で使用するよう心掛けてください。
汚れの他にはカビも革手袋の大敵で、湿気の多い状態で放置し続けると、縫い目の溝を中心にカビが繁殖してしまったりします。見た目としても衛生的にもよくありませんので、気が付いたときには毛の細かいブラシを使って、その部分だけを重点的にこすり落としていきましょう。雨の多い時期に革手袋を使用する時には、あらかじめ防水スプレーを使用しておくと、被害を抑えられたりします。
使わないときには、風通しの良いところに置いておくことも重要です。有事の際の備えとして用意しておく場合には、普段は持ち出し袋の外側に近い部分に見えるようにしまっておくなどして、中身の補充や点検の際に様子を確認しておくと、いざという時にも快適に使うことができるはずです。